So-net無料ブログ作成
検索選択

Yシャツをめぐる冒険 その2 [f or nf]

前回の続き

1月18日(木曜日)19時頃

確認していた2人のうちの自分と同姓の年配男性から連絡があったらしい。その息子さんのYシャツが、どうやら、息子さんの物ではないとの申し出があったようだ。しかし、それはすでに使用していて、結構汚れているという話であった。

まあ、汚れているといっても、そこはクリーニング屋さんなのだから、何とかなるでしょうとお店へ。

そこには、既にそのYシャツがカウンターに置かれていた。自分が来店するなりこれなんですが、と眼鏡のおばさん。

き、きたない。汚すぎる・・・。

襟首、袖のふちが茶色くシミになっている。

観ているだけで、自分の学生時代を思い出す。部活から帰った後に脱ぐ制服のYシャツは、運動場の土と汗がまじわった茶色いシミで汚れていたものだ。

逆に、良かった。これも自分のではない。

安堵感とまた違うという倦怠感が複雑に交じり合った心境であったが、そこは冷静に、どんな調べ方をしているのかと尋ねる。

そもそも僕のYシャツと誰かさんのYシャツと間違えてタグを付けてしまった丸いおばさんが、しどろもどろに答えようとする。その様子をイライラとしたのか眼鏡のおばさんがきつい感じで叱責。

まあ、かいつまんで言えば、しらみつぶしにというわけでなく、1枚だけ白Yシャツを出したお客さん方に、それも自分の勘だけの選出で、当たっていたようなのだ。それじゃー、いつまで経っても・・・。すでに、殆どのお客さんは、手元に持って言っている。

業を煮やし、僕は、店控えの伝票の束を借り、可能性のありそうな、複数のYシャツを出した人にもあたりをつける。

すると、自分の出した12月29日と同じ日のそれも30分後に白Yシャツと柄Yシャツを出した女性の伝票を発見。

この人には聞いたのかの答えに、丸いおばさんが、この人は違うという。なぜかと問えば、多分違うと歯切れが悪い。確証は何もないのだ。

その女性に、電話で連絡してもらう。すぐにその女性が出たようで、申し訳なさそうに丸いおばさんが会話をしている。固唾を呑みながら、僕と、眼鏡のおばさんが見守っていると、指でOKサインを出す丸いおばさん。

どうも、僕が当たりを付けた女性も、彼女の家の物ではないとの認識があるようだ。

お店にYシャツが届いたら連絡してもらうように告げ、僕に落ち度はないと思うが、お手数かけましたと、大人の対応をした。

それにしても、このクリーニング屋さんはいったい何人のYシャツを間違えたのか?僕が申告しなければ、間違えて受け取った人たちは、自分のものでないYシャツをそのまま着たのか?

1月20日(土曜日)19時30分

届いたとの連絡に、早速お店に向かう。これで違ったら、いつまでも煩わせたくないので、手を打ってくれるように頼んでおいた。

お店に着くと、いつもおばさん達はおらず、若奥さん風の女性が対応していた。

名前を告げると、事情を申し送りしていたのであろう、ささっと白いYシャツが出てきた。

CHAPS RALPH LAURENのタグがついたYシャツであった。僕のである。

 

 

やっと、帰ってきた・・・。

 

 

 

でも、なんか、盛り上がりに欠ける。

できれば、丸いおばさんと、眼鏡のおばさんと一緒に、やっと見つかった、僕の安堵感を分かち合いたかったのだ。ちゃんとやってくれよとの倦怠感とともに妙な連帯感が生まれてしまったのかもしれない。

何はともあれ、自分のYシャツが戻ってきて一件落着。おばちゃんたちによろしく伝えてくれるように頼むと、Yシャツを鷲づかみに店を出た。

果たして今後、僕は、このクリーニング屋さんに洗濯物を出すのだろうか・・・?

汚れたYシャツが溜まってきたら、また考えることにしよう。 

                                              完

 


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 2

u16嫁

感動しました!!!
by u16嫁 (2007-01-25 22:41) 

cozi77

お粗末様でした。
by cozi77 (2007-01-26 00:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。